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もはやキーボードはリモートワークの主役ではない

リモートワークで重視されてきたキーボードや椅子、ディスプレイの重要性が AI 進化により変化したのでは?

リモートワークにおいて大事にされてきたものは、まずキーボード。そして椅子とディスプレイです。特にソフトウェアエンジニアの世界ではそうだと言えます。

でも、もう、いいんじゃないですかね。キーボードを最優先しなくても。

そもそも、なぜソフトウェアエンジニアはこぞってキーボードに投資してきたか。それは端的に言えば、この仕事が究極的にはキーボード入力によってのみ価値を出しうる職業だったからでしょう。

コードを書くのもレビューを書くのも、最後はキーボードが頼みです。他にどうしようもなかったのです。

だからこそキーボードそのものにこだわり、それを使うときの姿勢に関わる椅子にこだわり、よりよく入力するための資料参照に関わるディスプレイにこだわり… これらが一体となって重要なものと考えられてきました。

しかし2026年におけるAIの状況を見ると、この前提がいくつも崩れてきているように思います。

①キーボード入力よりも音声入力のほうが速くて、情報量も多いこと。日本語のディクテーションには漢字変換の精度という限界もありますが、それを踏まえても、キー入力よりも口で話すほうがトータルで有利になる場面が出てきたと感じます。

②キーボードを使わなければ、姿勢の自由度を増やせること。口元にマイクさえあればいいので、リラックスした姿勢で作業できます。極端な話、寝っ転がっていても口述はできます。

③入力の総量においてAI生成量がかなり増えたこと。人間のソフトウェアエンジニアが大量のディスプレイを利用するのは、「資料インプットを効率化することがアウトプットの質と量に直結する」と経験的に知られていたからだと思います。でも今時はAIがガシガシ書いてしまうので、人間用のディスプレイは昔ほど生産性に大きく寄与しない… と感じます。

全体的に見ると、人間はリラックスした姿勢で考え、口頭で指示を出し、全体の方向性をチェックし、筋の悪い取り組みに対して適時フィードバックを返す、という役割に寄ってきている。その前提だと、必要な資料のレベル感も変わってきますし、以前みたいにすべての情報をディスプレイに出し続ける必要もなくなってきている。そんな変化があり、それは今後ますます避けられないのかなーと思います。

こう考えると、キーボードはもうリモートワークの主役ではないんです。少なくとも昔ほど、キーボードの打ちやすい執務スペースありきで設計する必要はなくなってきている気がします。寂しいですけど。

自分の作業環境は、いままさに少しずつ変えています。分割キーボードのように場所を取るものはやめました。ディスプレイの配置も見直しました。以前のように一台のパソコンから複数枚のディスプレイが生えてくる状況ではなくなってきています。

その代わりに重視しているのは、椅子を中心にしてリラックスした姿勢でいられること、姿勢を変えながら音声入力を続けられることです。AIのハイペースに押されてメンタルが焼ききれないよう配慮しつつ、継続して作業できる状態を目指しています。より正確には「私が作業する」というより「AIの作業に人間が耐え続ける」というべきかもですが。

キーボードあるいはデスク単体というより、部屋全体としてどういう環境にするかも含めて、プライベート空間の見直しを進めています。こういう発想は、おそらく業界に広がっていくと想像しています。どんなノウハウが出てくるのか気になる。